こんにちは!
前回に引き続き完母vs混合vs完ミを徹底比較していきます。
以前のノートを見られてない方は下記をご覧ください。
粉ミルクのメリット
これまで母乳のメリットばかり見てきましたが、粉ミルクのメリットも見ていきたいと思います。
一部母乳のデメリットの記載になりますが、それも粉ミルクのメリットとして広い目で見てください。
健康への効果
・粉ミルクの方が栄養のバランスが良い(母乳不足による栄養不足になる可能性がない)
完母の場合だと母乳性高ナトリウム血症や低血糖脳症になる場合があります(※)。
母乳不足から、脱水や高ナトリウム血症になると、播種性血管内凝固症候群、脳浮腫、けいれん、腎不全、頭蓋内出血、血栓塞栓症などを起こし、最悪神経学的後遺症が残ったりすることがあります。
母乳だと人により出る量が違ったり、栄養が足りていない場合もあるかもしれませんが、粉ミルクだとそういうことがありません。
・粉ミルクだと病気になりやすいわけではない
母乳育児で感染症のリスクが下がるという科学的根拠はありますが、粉ミルクで育てると、母子ともに病気になりやすいという科学的根拠はありません。また現代の日本では予防接種等もしっかりしていますし、病院もしっかりしているので、問題ないと思います。
脳の発達
・ロンドン大学が一卵性双生児11000人が協力を得て行った研究によると、母乳育ちと粉ミルク育ちの子に分け、IQを測定したところ2歳の時点で女児には有意差があったが、16歳には男女ともその差が消失した(※)。
母乳が脳の発達によいとされる研究はありましたが、全く同じ家庭環境で育った場合で母乳と粉ミルクによるIQの差異はないとなると母乳とIQ(脳の発達)はそれほど関係ない可能性が高いですね。
母乳が脳の発達によいとされる研究でランダム化比較検証(評価の偏りを避けるためにランダムにグループ分けする手法)ではないので、『母乳育児=教育に熱心な家庭』の割合が多くIQが高かった可能性があるのではないかと思います。
親子の関係
・母乳だと子どもとお母さんの絆が深まることが分かっていますが、粉ミルクだと父親もあげることができるメリットがあります。我が家の場合色んな人が出産祝いなどで家に来てくれた時にミルクをあげてもらってます。
手間
・腹持ちがいい
胃の中に入ってからどのくらいの時間で半分に減るかという胃内半減期という調査をしたところ同じ量を飲んだ時のミルクは65分だったのに対し母乳は47分と母乳の方が早く消化がされていました(参照:母乳育児支援講座)。つまりミルクの方が母乳より1.38%倍腹持ちがよいわけです。特に寝る前にミルクをあげる場合に粉ミルクだと腹持ちがいい上にしっかりした量を飲ませることができるので、楽ができます。
・子育ての分業が進む
母乳の方がミルクを作ったりする必要がないので楽だなと思う一方で、ずっと母親しかあげることができません。実際に離乳食をはじめるまでは母子は3時間以上離れることはできませんし、夜中に起きても結局お母さんが対応しないといけません。ある意味完母が男性に夜泣きを対応しなくて良い免罪符になっている可能性すらあるほどです。個人的には子育ての分業をする上で粉ミルクを使うのはオススメです。
母乳育児が推進されている理由
これまで母乳のメリット、粉ミルクのメリットを調べてきました。
母乳の方が粉ミルクより良いとは思うのですが、個人的には世間的に母乳が良いという風潮ほどの良さを感じることができませんでした。なんなら今の時代だと少しお金はかかるがお母さんに自分の時間を作ってもらったり、旦那も子育てに参加できるように混合の方が良いとすら思います。(あくまで個人的な意見)
なぜこれほど母乳が推進されているのか私なりに調べてみました。
WHO(世界保健機関)とユニセフ(国連児童基金)の声明が母乳育児推進の最大の要因
WHOは、40年ほど前から母乳育児の推進をしておりましたが、世界的に大きな流れになったのが、WHOとユニセフが1989年に発表した「母乳育児成功のための10か条」という共同声明になります。
厚生省は1974年に母乳栄養推進運動を開始しておりましたが、1989年のWHOとユニセフの共同声明の以降に世界的に母乳育児を推進する世論が高まり、日本でも医師、助産師、栄養士を中心に母乳育児に対する指導が加熱しています。
母乳育児成功のための10か条(最新のWHOが発行しているもの)
母乳育児成功のための10か条(日本語訳されたもの/かなり意訳されてます)
WHO(世界保健機関)とユニセフ(国連児童基金)の声明が母乳育児の推進を行う理由
WHOとユニセフが共同声明まで行って母乳育児の推進を行う理由ですが、一言で言えば発展途上国の子どもの救済にあります。
世界で毎年死亡している5歳未満児の数は約800万人。その9割以上が開発途上国に暮らす子どもたちです。そしてその死亡の3分の1が、直接的または間接的に栄養不良に起因しています。
これを解決する最も効果的な方法が乳児の栄養や免疫力の面で優れた母乳育児であり、それを推進しています。
私自身発展途上国は母乳で育てているのではないかと思っていたのですが、実際 194の国と地域を対象にした調査によると完全母乳で育つ生後6カ月未満の赤ちゃんは40%に過ぎず、60%以上の完全母乳率をもつ国は23カ国に留まっているようです。
発展途上国では、感染症や下痢性疾患といった病気や不衛生な水で溶いた粉ミルクを飲んだために、毎年多くの赤ちゃんが命を落としているとこともあり、母乳育児の推進をしています。
ちなみに完全母乳育児は感染症で亡くなる130万人の子どもの命を救うことができるともいわれているようです。
現在の日本で母乳育児の推進を行うワケ
WHOとユニセフが1989年に発表した「母乳育児成功のための10か条」という共同声明から日本で母乳育児の推進が始まり、厚生労働省が現在も10箇条を前提に「授乳・離乳の支援ガイド」を策定している。
もともと発展途上国のために推し進められたであろう母乳育児が一種の名残として今もなお変わらずにそのまま残っているというのが一番しっくりくるのではないかなと個人的に思います。
母乳の方が良いという研究データが多いのは事実ですが、現在の日本においては環境も整い、粉ミルクの成分も良くなっており栄養不足になるということもなく、ワクチンもしっかり打つので病気になるということもなく、母乳によるメリットをそれほど実感できないのかなと思います。
次回は完母vs混合vs完ミを徹底比較してきたまとめをノートしていきたいと思います。
本日のHanaあるある…
歯固めを渋い顔で噛む(初めての時)
それでは、またのお越しをお待ちしております。
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