こんにちは!
【読んでみた#1】シリーズで育児関連で読んできた本をご紹介させて頂ければと思います。
第1回は、子どもが生まれたら幼児教育やりたいなというきっかけになった本をご紹介させて頂ければと思います。
本の紹介~「学力」の経済学~
書名:「学力」の経済学
著者:中室 牧子
出版社:ディスカヴァー・トゥエンティワン
発売日:2015/6/18
単行本:199ページ
著者プロフィール~中室 牧子~
1975年、奈良県生まれ。1998年、慶應義塾大学卒業。米国ニューヨーク市のコロンビア大学で学ぶ(MPA, Ph.D)。
専門は、経済学の理論や手法を用いて教育を分析する「教育経済学」。日本銀行や世界銀行での実務経験がある。日本の経済学者、慶応義塾大学総合政策学部教授。
産業構造審議会等、政府の諮問会議で有識者委員を務める。
ざっくりこんな本~「学力」の経済学~
教育を経済学的な視点から読み解いていく本!
海外では自治体や教育委員会などが教育政策の効果をさまざまなデータをもとに科学的に検証するエビデンス・ベースト・ポリシー(evidenced based policy)という手法が浸透してきているようです。
著者はエビデンスに則り、「子どもを“ご褒美”で釣ってはいけないのか?」「“少人数学級”は効果があるのか?」「“いい先生”とはどんな先生なのか?」等の問いかけに答えてくれています。
印象に残った言葉~「学力」の経済学~
・「子育てに成功したお母さんの話を聞きたい」という欲求自体に問題があるわけではありません。しかし、どこかの誰かが子育てに成功したからといって、同じことをしたら自分の子どもも同じように成功するという保証は、どこにもありません。
・「子どもの学力にもっとも大きな影響を与える要因」については、ほとんど触れられていません。それは、親の年収や学歴です。
・教育経済学者の私が信頼を寄せるのは、たった一人の個人の体験記ではありません。個人の体験を大量に観察することによって見出される規則性なのです。
・日本ではまだ、教育政策に科学的な根拠が必要だという考え方はほとんど浸透していないのです。
・米国では、自治体や教育委員会が、自ら積極的に教育政策の効果を科学的に検証し、そこから得られた知見が、自治体や国など全体の政策に反映されるようになっています。これを、「科学的根拠に基づく教育政策」または「エビデンスベーストポリシー」といいます。
・経済学には「教育の収益率」という概念があり、「1年間追加で教育を受けたことによって、その子どもの将来の収入がどれくらい高くなるか」を数字で表します。そして、教育投資への収益率は、株や債券などの金融資産への投資などと比べても高いことが、多くの研究で示されています。
・学力テストの結果がよくなったのは、インプットにご褒美を与えられた子どもたちだったのです。 とくに、数あるインプットの中でも、本を読むことにご褒美を与えられた子どもたちの学力の上昇は顕著でした。
・ご褒美が子どもの「一生懸命勉強するのが楽しい」という気持ちを失わせてはいなかったのです。
・「能力をほめることは、子どものやる気を蝕む」
・テレビやゲーム「そのもの」が子どもたちにもたらす負の因果効果は私たちが考えているほどには大きくないと結論づけています。
・テレビやゲームをやめさせても学習時間はほとんど増えない
・1時間テレビやゲームをやめさせたとしても、男子については最大1・86分、女子については最大2・70分、学習時間が増加するにすぎないことが明らかになりました。
・テレビ視聴やゲーム使用の時間が長くなりすぎると、子どもの発達や学習への悪影響が飛躍的に大きくなることが示されています。
・1日に1時間程度のテレビ視聴やゲーム使用が子どもの発達に与える影響は、まったくテレビを観ない・ゲームをしないのと変わらないことが示されています。
・「勉強しなさい」はエネルギーの無駄遣い
・お手軽なものに効果はない
・教育から得られる「便益」から教育に支払う「費用」を引いた「純便益」が最大化するように、家計は教育投資の水準を決定しています。
・もっとも収益率が高いのは、子どもが小学校に入学する前の就学前教育(幼児教育)です。
・人的資本とは、人間が持つ知識や技能の総称ですから、人的資本への投資には、しつけなどの人格形成や、体力や健康などへの支出も含みます。
・重要な非認知能力:「自制心」
・重要な非認知能力:「やりぬく力」
・最近の研究では、認知能力の改善には年齢的な閾値が存在しているが、非認知能力は成人後まで可鍛性のあるものも少なくないということがわかっています。
・「細かく計画を立て、記録し、達成度を自分で管理する」ことが自制心を鍛えるのに有効であると多数の研究で報告されています。
・「高校を卒業後すぐに働き始めた人と、大学を卒業してから働き始めた人の間では、生涯で稼げるお金に、実に1億円の差があります。
・「どういう学校に行っているか」と同じくらい、「どういう親のもとに生まれ、育てられたか」ということが学力に与える影響は大きいのです。
・親の学歴による学習時間の差は、子どもの学年が上昇するにつれ拡大していく傾向がある
・スタンフォード大学のハヌシェク教授によると、もともとの学力の水準が同程度の子どもたちに対して、能力の高い教員が教えた場合、子どもたちは1年で1・5学年分の内容を習得できたのに対して、能力の低い教員が教えた場合は、0・5学年分しか習得できませんでした。
・経済学者の間では教員免許の有無による教員の質の差はかなり小さいというのがコンセンサスとなっています。
・もっとも階層の高い、信頼に足るエビデンスと定義されているのがランダム化比較試験です。
・本書の中では、ほとんどすべての章で、ランダム化比較試験による効果検証を紹介しています。
【3位】
・社会収益率が7~10%にも上るということは、4歳の時に投資した100円が、65歳の時に6,000円から3万円ほどになって社会に還元されているということです。
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巷でも幼児教育がよいという話は聞きますし、個人的には大人で優秀な人は子供の時から優秀だった人が多いなという感覚があるので、幼児教育の重要性は考えておりましたが、4歳の100円が65歳の時に6,000円から3万ほどになっているという費用対効果にびっくりした。これは幼児教育頑張らないといけないと共に子供の教育をすることが一番の社会貢献になる可能性があるなと思った。
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【2位】
・非認知能力への投資は、子どもの成功にとって非常に重要であることが多くの研究で示されています。
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『学力が高い=仕事ができる』ではないので、これからは、認知能力(学力等)+非認知能力を伸ばしてあげることが大事なんだなと実感した。ただ、非認知能力は学力等に比べると評価にしくので、しっかりと考えながら教育に導入しないといけないなと思った。
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【1位】
人的資本論(教育を経済活動としてとらえると、将来に向けた「投資」として解釈できるという考え方です。)
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特に日本では万人受けしなさそうな考え方だと思いますが、個人的にはかなり腑に落ちました。教育を経済活動として考えるのはかなり割り切った考え方ですが、教育は意思決定するときに分かりにくいものなので、1つの意思決定の軸としてこういう考え方があるんだと気づくきっかけになりました。
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まとめ~「学力」の経済学~
オススメ度
★★★★★★★★★★
幼児教育に関して考えるきっかけを与えるくれる良書だと思う。
ただ、なかなかこの考え方に納得されない方もいらっしゃると思うので、印象に残った言葉を見て頂き、共感できる方は是非読んでみて下さい。
こんな方にオススメ
・幼児教育に興味がある
・幼児教育のモチベーションを保ちたい
・子供の教育に思い悩んでいる
・子供の能力(認知+非認知)を伸ばしてあげたい
この本を読んでこんなことをしてみたい(将来の導入を検討)
・子供の将来のために幼児教育をしっかり行う
・我が家の教育に人的資本論という考え方を導入する
・エビデンスベーストポリシーがある方法を優先して実施する
・非認知能力を伸ばしてあげることを意識する
・何かさせたい場合にそのものに興味を持たせる方法を模索する(テレビやゲームをやめさせても学習時間はほとんど増えないというデータがあるように、勉強をさせるためにテレビを規制しても効果がないので)
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それでは、またのお越しをお待ちしております。
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